消毒がピアスに不要という時代に、なぜかず~~っとロングセラーの「ピアス用消毒液」
きっと、何か私の知らない「有益な情報」があるはず・・・どんな時に使うのがいいんだろう?と思って、掘り下げていった結果。
メリットが見つからなかったので、ご報告します(^▽^;)
濃度にメリットがない
消毒液の成分と濃度
ピアス用の消毒液の主成分は「塩化ベンザルコニウム」です。
まず、濃度の違いに注意してみましょう。
これは推奨される濃度です
手指・皮膚
医療用医薬品 : 塩化ベンザルコニウム – KEGG より一部を抜粋
0.05〜0.1%
皮膚・粘膜の創傷部位
0.01〜0.025%
感染皮膚面
0.01%
健康な皮膚だと0.05〜0.1%だけど、傷ついた場所では0.01〜0.025%を使うようになっています。
では、ピアスを開けた後の「アフターケア」で使ってくださいと公式HPでも紹介している、有名なピアスケア用の消毒液の濃度は?
プラスジェル(ピアスジェル)
JPSプラスジェル
プラスジェル – カラコン・ピアッサーの通販ショップ JPS Official Online Shop
ベンザルコニウム塩化物0.05%
ピアス用消毒液は「健康な皮膚用」
つまり。
傷用の濃度じゃないってことです。
ちなみに、過去に病院で使っていた傷用の消毒スワブ(でっかい綿棒のようなもの)も濃度は0.025%=ピアスジェルの半分の濃度です。(今はあまり消毒しませんけれど)
同じ0.05%の「キレイキレイ」は手指消毒用なので、納得できます。
※ちなみに、深い傷には使わないように注意書きもされています。
皮肉なことに、「JPSプラスジェル」にも「ピアチェーレ 消毒スプレー」にも、「深い傷や火傷の人は使用しない」と、ちゃんと記載されています(´・ω・`)
ピアスって、浅い傷なんですか?
皮下組織、軟骨組織を貫通してるのに・・・?
「深い傷」には使用NG、ピアスは?
これは気になる。
ということで、それぞれピアスの会社さんにメールにて問い合わせると
JPSさんは「性器の粘膜に使う濃度で販売の許可は取っていますので大丈夫です」的なお返事。
ピアチェーレのワンダーワークスさんはお返事なし。
え、性器に使用する濃度?を、「アフターケア」で使用・・・?
ちょっと良くわかりません。
マキロンで良くない?
ちなみに、ピアスジェル等の成分、塩化ベンザルコニウムの同系統である塩化ベンゼトニウムの消毒液は、格安で手に入ります。
それが皆さまご存知のマキロンです。
よくピアスの商品を売っているサイトで「マキロンは成分がキツイから・・・」と嫌厭されていますが、実はほぼ同じ成分!
なぜマキロンはダメでピアス用消毒液がOKなのかと考えると、売り手側の策略としか思えません・・・
確かにマキロンSはやや濃度が高いですが、「傷を治す成分」であるアラントインも配合されています。
いずれも深い傷には向かないけれど、手指や皮膚には推奨される濃度です。
傷に使うメリットがない
ジェルはベタベタする…
【成分】ベンザルコニウム塩化物0.05%
Amazon | プラスジェルKS G4 | JPS株式会社 | ドラッグストア
【添加物】ヒドロキシプロピルセルロース、グリセリン
プラスジェルは、ヒドロキシプロピルセルロースとグリセリンを含んでいるため、べたつきがあります。
どちらも「潤滑剤」として良く使用されるもので、ヌルヌル滑ってくれるので、一見、使い心地は良いはずです(>_<)
私も10年以上前に愛用していた(そして裏切られた)のですが、このヌルヌルのせいで、患部はなんだかギトギトします・・・(´・ω・`)
洗い流さないといけない
使用方法をよく見てください。
トップページ|JPS株式会社 セイフティピアッサー
と、いうわけで、このギトギト
公式HPでも、傷につけたら洗い流すとされています。
これは、こちらで説明した「消毒液や細菌の死骸自体が次の細菌のお家とゴハンになる」現象や、消毒液自体が傷に皮膚炎を起こす可能性を下げるために適切で、
消毒液を塗布したら,殺菌にはある程度の時間がかかることを理解し,数十秒~数分間待つ.創部と消毒液が十分接触した後,付着している消毒液を洗浄して ぬぐい去る.こうすることで,残留している消毒液による宿主に対する細胞障害を最小限に食い止めることができる.
創傷・褥瘡・熱傷ガイドライン―1 – 日本皮膚科学会
と、皮膚科学会さんも仰っています。
問題は、
- 皮膚ができていない場所では消毒効果はあまり発揮されない。(体液があるので)
- できかけた肉芽細胞(良い奴)は消毒液が苦手
- 洗い流すためにピアスの軸をゴソゴソ動かさないといけない
という事です。
肉芽細胞(皮膚の元になる良い奴)が、消毒液・摩擦に弱いのはず~っと説明してきた通りです。
傷の治りを指示する命令物質(サイトカイン)が消毒で死ぬのも、バイキンをやっつけるやつ(白血球)が消毒で動きが悪くなるのも、説明してきた通りです。
つまり、消毒液の効果があまりないのに、皮膚の元になる細胞の力を弱め、しかも洗い流す動作で傷口をゴシゴシ摩擦しないといけないΣ(゚д゚lll)!
使うメリットが分からないのです(´・ω・`)
値段にメリットがない
本日のAmazonで検索かけた値段を1mlあたりで割ってみました。
(四捨五入を久しぶりにしました、笑)
ピアチェーレ消毒スプレー 48円
15ml 価格:¥ 717
Amazon | ピアチェーレ 消毒スプレー 15ml [指定医薬部外品] 2019.5.20 現在
JPS プラスジェル 37円
20ml 価格:¥ 733
Amazon | プラスジェルKS G4 | JPS株式会社 | ドラッグストア 2019.5.20 現在
マキロン (マキロンs) 8円
マキロン 75ml 価格:¥ 486
外皮消毒剤 マキロン 75ml [指定医薬部外品] 2019.5.20 現在
マキロンs 75ml 価格:¥ 593
1mlあたり
47円、38円、8円・・・
私なら、迷わずマキロンを買います(´・ω・`)
代用品
まず、ピアスをあけたばかりでケアに使おうと思っている人は、消毒は要らないので代用品どころか
「トラブル回避、ピアスのケア」
「ピアスホールの適切な洗浄方法」
を参考にしてください(^^)/
で、完成したピアスホールのニオイや汚れが気になっている人は・・・
ピアスジェル系はさっきお伝えしたように値段が張りますよね(^▽^;)
そんなときに活躍する、市販で簡単に手に入りしかも安いものがこちら
消毒用アルコール
皮膚が強い人や、完成しきったピアスホールにオススメ(^^♪
かなり広範囲の菌に効果があります。
マキロン
皮膚が弱い人や、未完成なホールにどうしても使いたいときにオススメ♪
ピアスジェル系のものと同じ系統の消毒液です。
マキロンは0.05%とピアスジェルと同じ濃度ですが、マキロンSは0.1%とやや高め。
そしてアラントインという傷の修復成分入りです。
ちなみに、宝石の種類や透明ピアスによっては使えないものもあるので、ピアスに使用する場合には取扱説明書をよく読んでくださいね(^▽^)/