「軟骨用ピアッサー」があるのに、なぜ軟骨にピアッサーは危険だとされているの?
耳たぶは良くて軟骨はダメなの?
その理由を、ちょっと医学的なことを交えて説明していきます。
ちなみに、ニードルピアッサーというものもあります。
扱いが難しいので、オススメ!と胸は張れませんが、有効軸は気にしなくていいし、先端はきちんとニードルなので、選択肢のひとつかも・・・?
軟骨はかなりデリケートな組織
耳介は、軟骨の上に薄い皮下組織をおいて皮膚におおわれています。とくに耳介前面は皮下組織が少ないために、感染や機械的刺激により炎症が軟骨膜に容易に及びます。ひとたび軟骨膜に炎症が及ぶと耳介全体に波及し、耳介の腫脹(はれ)・血腫・変形を来します。
耳介軟骨膜炎 : yomiDr. / ヨミドクター(読売新聞)
つまり、軟骨は外からの力に弱いし、感染(バイキン)にも弱い。
すぐ腫れるし、すぐ血が出る。
変形もしやすいし、再生能力も低いんです。
軟骨のピアッシング後の回復には、耳たぶの2倍程度の時間がかかるとされていますし、その間にトラブルになってしまう可能性もかなり高いです。
かなり慎重に行う必要があります。
軟骨ピアッサーすると、どうなる?
実は骨折はしない
こちらで説明した通り、耳の軟骨は「骨」じゃないので、「骨折」のようにパキンと軟骨が折れる訳じゃないんです!
ピアッサーの衝撃には負ける
↑のページで説明した通り、お耳の軟骨は弾性軟骨と呼ばれ、その名の通り弾力があり折れることは基本的にありません。
しかし、ピアッサーは通過しますよね。
骨折させて通過しているのではなく、衝撃で組織が無理やり破壊されて動かされているんです。
つまり、変形する可能性が高い
耳の軟骨=「弾性軟骨」とはいえ、耳たぶの組織(ほとんどが柔らか~~~な皮下脂肪)と違って、コリコリした繊維の束の物体です。
強い衝撃で破壊されると損傷し、柔軟性がないので横や後ろに飛び出ます。
写真のように皮膚が飛び出ているため酷く見えることも多いですし、その後実際変形してしまっている場合も多くあります(私がそうでした・・・いまだにちょっとボコッとしています。)
軟骨ピアッサーで耳が変形するというのは、皆さま太いゲージで特に言われています。
軟骨ピアスはニードルがいちばん
ニードルのメリット
ニードルで開けた場合は比較的【優しく切り開く】ことのなるので、強い変形は免れます。
運が良ければ、ニードルの中に組織がくり抜かれて、きれいに穴があきます。
(これは大きさなどにもよるようですが)
また、衝撃で死んでしまう不要組織を最小限に抑えられます。
つまり治癒スピードが速まるのです。
不要組織が多いほど、回収物が増えるので治癒に時間がかかりますから。
(丁寧に洗浄するのはこのためです(*^-^*))
そして、ただでさえ血管が少ないために皮膚が再生されにくい場所です。
また血管が少ない=バイキンと戦う力も少ない
つまり感染(膿)を起こしやすい場所なのです。
できるだけ早く皮膚を完成させることが大切になってきます。
トラブルを未然に防ぐために、手技さえしっかりして清潔を守ることができれば、ピアッサーでなくニードルを使うことがどれだけ軟骨に良いのかが歴然です。
カヌラニードルは痛い
最近、ニードルの進化したバージョンとしてカヌラニードルというものが増えてきました。
ニードルの針の周りが薄いプラスチックで覆われていて、針を貫通させたあとに、針だけ抜いて周りのプラスチック(外筒)を穴あけ箇所に残すことができるので、ピアスの接続がしやすかったり、最悪そのプラスチックのまましばらく過ごすことができるのです。
きちんと使えばとっても便利。
ただしカヌラニードルで注意しないといけないのが
- 針の周りにプラスチックが余分にある
ということ。
つまり、針が刺さったあとで、プラスチックの部位を通過するときに、わずかながら太さが太くなるために抵抗や痛みを感じるのです・・・
そして値段も高いため、失敗するとお財布にも痛い。
メリットとデメリットをしっかり理解した上で、ピアッシングに臨んでください♪
どうしてもピアッサーで軟骨を開けたい
ニードルピアッサーをつかう
ニードルを押し込んでいく勇気はないけど、手先が器用!という人は
こちらのニードルピアッサーも選択肢の一つかも。
これなら有効軸は融通が効くし、先端は鋭利な二―ドルになっています。
ただし、かなり取り扱いが難しいとも思います。
有効軸はセイフティピアッサー軟骨用(金属)
「ピアッサー」には「耳たぶ用」「兼用」「軟骨用」があります。
ピナックやドリームタッチなどは、ばねの強さや軸の太さ、長さなどに違いがあります。
また、耳の分厚さと腫れに大きく関わる「有効軸」にも違いが。
実際長さを比べると、ご覧のようにセイフティピアッサー透明タイプはダントツ短いです。
市販数が少ないですが、ピナックAαも短いことが分かります。
もちろん、きちんと貫通する人もいます!
ただ、軟骨は特に腫れるので、最低お耳+2mm、できればもう少しゆとりのある有効軸がオススメ(><)
なので、少なくともピアッシングする部位が分厚い人は透明タイプ・ピナックAαは避けたほうがいいんじゃないかと思います(^^;
逆に言えば、有効軸を考えるとセイフティピアッサー軟骨用(金属のタイプ)一択なんです。
病院なら大丈夫?
病院でも、軟骨をピアッサーであける医院もあります。
かなりトラブルも聞きますので、病院であっても軟骨を施術してもらう際には必ず、何でピアッシングするのかの確認をなさってくださいm(__)m
耳たぶピアッサーは?
そんなにニードルが優れているなら、ピアッサーの存在意義って?
と思われると思います。
ピアッサーのメリットは清潔さ
ピアッサーの一番のメリット、それは清潔さです。
ニードルで開ける場合、どうしてもニードルやピアスを何度も触ることになります。
やはり、ピアッサーでパシンと開けるのに比べると・・・
細菌が侵入する確率や刺激は上がっていくはずです。
「接続に失敗した(´;ω;`)」なんてあるある体験、ピアッサーなら回避できるのです☆
ただし、ピアッサーの中には途中で止まりやすいものもあるようですし、ピアスの長さを間違えるとそもそも危険なので注意です(^^;
耳たぶピアッサーは「誰でも安全に使える」道具
軟骨は血管が乏しく柔軟性に欠けるので、ピアッサーのリスクがあります。
しかし血管が豊富で柔らかな皮下脂肪がほとんどを占める耳たぶでは、そこまで損傷や再生のことを考える必要はなくなります。
もちろん不必要な損傷をさせるため、手放しでケアもナシにはできませんが、軟骨ほど神経質にならなくてもいいんです。
もちろんニードルで正しく開けられれば、耳にとってはいちばんです。
しかし耳たぶを開ける人で「ニードルのプロです」なんて人、少ないですよね(^^;
しかもそのために「ピアススタジオ」に行ったり、美容整形外科に行ったり…ちょっとなぁ…という人が大半だと思います。
- 耳たぶだけピアスを開けたい
- 気楽に開けたい
という人にとっては、ピアッサーは素人にも安全に使える画期的な商品だと思います(^▽^)/