他の人が使ったピアスで病気に感染するって本当?
不安になったらどこに相談?
血液で感染する病気
有名な血液感染する病気としては
- B型肝炎(HBV)
- C型肝炎(HCV)
- 後天性免疫不全症候群(HIV)→発症するとエイズ(AIDS)
- 梅毒
- HTLV-1→発症で成人T細胞白血病・成人T細胞脊髄麻痺
が挙げられます。(もちろん、他にもありますが…)
これらの血液が、粘膜や傷などに触れることで、病原菌が引っ越してきます(´・ω・`)
ピアスホールは傷口も同然で、何年も経っていてもピアスを入れるときに傷が付いてしまうこともあるかもしれません。その意味で、充分注意を払う必要があるんです(><)
ちなみに、どれも過去の病気だと思う人が多いようですが、それは違うんです
近年、梅毒感染者が急増しています。梅毒は症状がないことも多く、気づかずに進行し、キスや性交渉で他の人にも感染が広がります。検査してみないと感染しているか分かりません。梅毒は早期発見・早期治療で治すことができます。 ぜひ検査を受けてください。
もしかして梅毒!?HIV検査相談マップより
感染しても気付かないことが多く、じわじわと体を蝕みます。
治療法も確立されてきているとは言え、死に至る怖い病なのは変わらないです。
献血において、特定の条件のピアス保持者がお断りされるのは上記のような病気に感染している可能性があるためです。
医療機関等で、あるいは使い捨ての器具で穴をあけた方は、穴をあけた場所の状態にもよりますが、細菌等が感染している危険性があると判断し、最低1カ月間献血をご遠慮いただいております。
献血をご遠慮いただく場合日本赤十字社 より
その他の場合(友人同士などで安全ピンや針を共用して穴をあけた方など)は、エイズ、B型肝炎およびC型肝炎などのウイルスが血液を介して感染している可能性を考慮して、6カ月間献血をご遠慮いただいています。
また、口唇、口腔、鼻腔など粘膜を貫通してピアスを挿入している場合は、献血をご遠慮いただいています。
感染する確率は低い
実際の感染(発症)する確率というのは、報告により数値が変わりますが例えば私たち看護師が注射針を間違えて手などに刺してしまったケースでは
- HBV … 1~62%
- HCV … 1~5%
- HIV … 0.3~0.5%
- 梅毒 … 頻度不明(極めて低い)
- HTLV-1 … 頻度不明(極めて低い)
とされ、HBVの1種を除いては高い確率ではありません。
感染(発症)する確率が低いとはいえ、冒頭で伝えたように、献血でお断りされるほど、とても怖い病気です。
実は私も、針刺し事故というのを起こしたことがありました・・・
(看護師としてとても恥ずべき、隠したい事実ですが・・・(´;ω;`))
確率が低いとは言え、1か月ごとの採血を1年間繰り返しました。
「もしキャリア(保菌者)になっていたら…」と何度も不安に思い、ガチで泣きまくりました。
感染は消毒で100%は防げない
「消毒したら大丈夫でしょ!」と思われるかもしれません。
HTLV-1やHIVなど、怖いウイルスは案外家で使える弱い消毒液で死んじゃったりします。(ノロウイルスとかのほうがよっぽど対処しにくいんです)
また、医療機関で適切な手順を踏んだ場合は、一定の高温消毒ではほとんどのウイルスを死滅させることができます。
しかし家庭での消毒に100%は不可能なことは何度もお伝えした通りです。
そして薬液での消毒ではHCVなどウイルスの一部はアルコールではなく次亜塩素酸が必要なのですが、これはピアスを傷めるので使えないんです。
不安になったら相談できる所
色々と説明しましたが、他の人のピアスを使ったと言って恐怖におびえるほどではありません。怖いウイルスほど消毒に弱く、感染確率は低いからです。
気軽な性交渉のほうがよっぽどよっぽど危険です。
(サイトの趣旨が変わっちゃうので深くは追究しませんが、交渉時だけコンドーム使っても、特定の行為をすれば病気はうつります)
とはいえ、「もしかして・・・」と怖い思いをしながら、誰にも相談できない・・なんて方もおられますよね。
不安に思うぐらいなら、思い切って相談と検査しちゃいましょう。
日本全国で公的機関が、無料・匿名の検査を行っています。
お住まいの市町村+感染症+検査 とかで検索をかければ、市町村のHPに紹介されているはずです(*^-^*)
HIV検査・相談マップ
間違っても、事実を隠して献血に行かないでくださいね!
献血したら感染症を教えてくれる、というのはデマですから!
(というか、感染初期は検査に出ないので、赤十字社すら感染を見破れないのです)
体調不良のときにピアスをあけると…
他人の血液などが付着したピアスを使わないかぎり、このような怖い感染症にかかる心配はないのですが、体調不良のときにピアスをあけると免疫力が低下しているため細菌感染にかかりやすくなる・・・
結果トラブルを起こしやすい可能性があります。
ピアッシングの際に新しく滅菌(新品の医療用器具)・減菌(消毒)された器具を使うのも大切ですが、体調の管理もしっかり行ってくださいね((+_+))