薬用石鹸は洗浄と一緒に殺菌もできるなんて一石二鳥じゃん!と思いがちなのが落とし穴。
手洗いの場合は良いんです(皮膚が弱くない限り)
傷に使用するのが問題なんです・・・
実はピアスホールが弱いうちの洗浄に薬用石鹸は向いていません。
洗浄方法の間違いでピアスホールの状態を悪くしている人がたくさんおられるので、トラブルを起こしているひとは石鹸にも気を配ってください。
薬用せっけんの成分
よくピアス(ファーストピアス)を開けた時、紹介される殺菌作用のある薬用石鹸で代表的なのは
ミューズ、キレイキレイです。
ミューズには殺菌成分について「サリチル酸」配合と記載されています。
このサリチル酸、「ウオノメコロリ」なんかで使用される「角質軟化成分」です。つまり皮膚の成分を溶かして柔らかくするんです。
キレイキレイは「イソプロピルメチルフェノール」
強い殺菌成分ではありませんが、もちろん、れっきとした消毒薬の一種です。
消毒がなぜダメかは、何度も紹介をしてきたとおりですm(__)m
もちろん濃度は同じじゃないですが、そのような成分、ピアスケアに必要でしょうか(^▽^;)
何のために洗うのか?
(炎症期において)過剰な洗浄や消毒を行うと浸潤してきた細胞まで洗い流し,細胞自体を障害することになる.(中略・細胞増殖期において)壊死物質が付着すると細菌感染の温床となり,細胞外マトリックスの成熟が阻害される
創傷・褥瘡・熱傷ガイドライン―1 – 日本皮膚科学会 より
①傷の治りを良くするため
傷口に【不要組織】つまり汚れが残っていると、傷の治りが遅くなることが分かっています。
そのため、洗浄によって汚れを除去し、良い細胞が育ちやすい環境づくりをしてあげることが大切です(*^-^*)
※ただし、皮膚の状態にもよりますので、むやみやたらに洗浄をすればいいという訳でもありません。
②バイキンを増やさないため
バイキンは【不要組織】つまり汚れが大好きです。
不要組織はエサでありお家です。
汚れをためていると、バイキンにとって居心地の良い場所になってしまいます。
つまり=不要な老廃物を除去する
【不要組織】を除去することで、傷の治りを早めて、バイキンが居づらくする。それが目的です☆
つまり、殺菌成分でバイキンを殺す必要はなくて、単に「汚れを落とす」だけでOKなのです!
ちなみに、実は流水でもしっかり洗い流せます。
コチラ、菌が入る=膿むは間違いのページで説明した通り、バイキンは少し居ても平気です。
殺す必要はなくて、増やさないようにするのが肝心なのです。
増やさないために「体の免疫力」を高めるには、健康な皮膚が必要です。
手指用など強い刺激の石鹸を使うと、皮膚の健康を損なう恐れがあります。
こればかりは人によって違うので大丈夫な人もいるし、低刺激の石鹸でもダメな人も居ます。
つまり、あえて強い刺激の薬用せっけんを「わざわざ」購入する必要は一切ないということなのです(*^-^*)
ファーストピアスの石鹸の選び方
では、石鹸は何を基準に選べばいいの?
という疑問が出てきますが、実はその研究はあまり進んでいないようです。洗浄剤には多岐に及ぶ種類がありますからね・・・。
となると、答えは簡単で、「普段使ってるもの」でいいんです。今まで無事に使ってきているのですから、今はそれがイチバン肌に負担がないはずです。
ただし、「爽快cool!」的な石鹸を使っている人はやめてくださいね(^^;
低刺激・弱酸性のもの
今までの石鹸はちょっとなぁ・・・ということで、新しく選ぶ場合、低刺激で弱酸性のものが傷に適しています。
低刺激=洗顔やボディソープでよく見られます。
(※スクラブ入りとか、爽快なものは避けてくださいね)
逆にハンドソープは殺菌を目的にすることが多いので、刺激が強いことが多いです。
ちなみに肌は弱酸性を保っています。
しかし洗浄成分はたいていアルカリ性のため、弱酸性に戻るまでに時間がかかり、その間はバリア機能が低下すると言われています。
できれば弱酸性が望ましいのですが、やはり石鹸の性質上難しいことのなので、低刺激というのを第一に考えられたらいいと思います(*^-^*)
どうでしたでしょうか?
洗浄の意味について少しでも理解が深まればと思います。
意味を理解すれば、お耳を洗浄するときの触り方も、変わってくるかもしれません(*^-^*)