よく、軟骨ピアスは骨折だと脅し文句的には使われますが実際は違います。
そもそも軟骨って何か?
軟骨組織は「骨」じゃない
軟骨(なんこつ、英: cartilage)は、軟骨細胞とそれを取り囲む基質からなる結合組織であるが、組織中には血管、神経、リンパ管が見られない。弾力性があり、脊椎動物に比較的発達している。
軟骨 – Wikipedia
腕とかの骨は普通に折れますよね。
肋骨などの軟骨も、硝子軟骨と言って「弾力」が少ないので折れることはよく聞きます。
しかしお耳の軟骨は弾性軟骨と呼ばれ、その名の通り弾力がありポキっと「折れる」ことはありません。
耳たぶなどの「皮下組織」とも違う
耳にピアッシングする際に通過する「組織」に違いがあるのは知っていますか?
耳たぶは皮下脂肪で出来ていています。
柔軟性が豊富(とっても柔らか)です。
血管もしっかり通って、栄養豊富でもあります。
例えばサッと切れたような傷をきっちりくっつければ、その瞬間から再生がはじまり、ほんの数日でぴたっとくっつくほどスゴイんです(*_*)
一方、耳介軟骨はタンパク質の一種です。
(コラーゲンを支える素材として、美容分野ではよく出てくる大切な素材だそうです。)
支えるんですから、ある程度しっかりしているんです。
そして血管も通っていません。
耳介は、軟骨の上に薄い皮下組織をおいて皮膚におおわれています。とくに耳介前面は皮下組織が少ないために、感染や機械的刺激により炎症が軟骨膜に容易に及びます。ひとたび軟骨膜に炎症が及ぶと耳介全体に波及し、耳介の腫脹(はれ)・血腫・変形を来します。
耳介軟骨膜炎 : yomiDr. / ヨミドクター(読売新聞)
つまり、軟骨は外からの力に弱いし、感染(バイキン)にも弱い。
すぐ腫れるし、すぐ血が出る。
変形もしやすいし、再生能力も低いんです。
変形はあり得る
と、いう訳で軟骨は骨とは違うけど、硬いのは硬いのです。
耳たぶみたいにグニャグニャじゃないので、柔軟性は限界があります。
ピアッサーはニードルと異なりチカラで突破することになるので横や後ろにボコッと飛び出るケースもあります。(皮膚だけが引っ張られているケースもあるので、既にそうなってしまった人はまずは焦らず様子を見ましょう)
骨折というより、変形ですね。
だからっていって、「骨折じゃないから普通にピアスあけてOK!」というのとは違って、やっぱり柔らかで単純な皮下組織と違い、治癒に時間はかかるので、ピアッサーでドカンと穴あけをせずに鋭利なニードルで精密にピアッシングして頂きたいものですm(__)m
軟骨はとってもデリケートなのですね( ..)φ
軟骨自体は塞がらない
ちなみに骨折じゃないので、カルシウムが寄ってきて再生することはありません。
再生能はほとんどないとされています。
似たような物質で穴を埋めることはあっても、「耳介軟骨」が再生することはあり得ないのです。
(美容や形成の分野で、特殊な培養によって耳介軟骨を再生しようとする研究はされているようです)
つまり、再生しないためなのか、耳たぶと違って「すぐ塞がる」ことは少ないです。
他の人の経験や、自分の体験からもそう思いますm(__)m
塞がったかも!?と思ったら、ファッションピアスを入れたらスンナリ入る(>_<)なんてこと、よくありますよ~
マニアックなマトメ
軟骨…硝子軟骨・繊維軟骨・弾性軟骨
【弾性軟骨】外耳道・耳管、喉頭蓋、喉頭軟骨など。
耳介(厚さは2mmと言われる)
弾性繊維・エラスチンによって構成されている。
損傷部は線維性組織に置換する。