このページでは、ファーストピアスを開けてから安定・完成した「ピアスホール」になるまでの、ピアッシングした皮膚の中で何が起こっているのか?少~し医学的に詳し~~~く解説していきます✊
この記事の内容がわかると
- ピアスホールの安定・完成までの最短期間は?
- 安定・完成の見分け方の理由
- 消毒はなぜダメなの?
- 洗浄はなぜ必要なの?いつから?
- 浸出液・肉芽ってなに?
など、ピアスに関する情報のいろいろな理由を知ることができるので、ぜひご一読ください!
ピアスホールついておさらい
耳たぶは、「皮下組織(いわゆる脂肪などのお肉)」を、表皮や真皮という「皮膚」が包んでるイメージ。
ピアスはここを貫通することになります。
ちなみに視神経は通っていませんよ~笑
(ピアスで失明の都市伝説について)
- ピアスホールを開けた「直後」、まだピアスの周りは剥き出しのお肉(生傷状態)です。
- ピアスホールにトラブルなく順調に薄い皮膚が出来てくることを「安定」(~最短1か月ぐらい)
- ピアスホールがしっかりした皮膚になることを「完成」と呼ぶことが多いです。(~最短3か月ぐらい)
まぎらわしい「第1次治癒期間」「第2次治癒期間」
最近急に安定までを「第1次治癒期間」と呼んで、完成までを「第2次治癒期間」と呼ぶ人が増えてきました。
どうやらピアス屋さん発信の用語みたい?
医学的には一次治癒はニードルなどでピアスを開けた直後に閉じることに近いです。
この段階ではかなりきれいに傷が閉じます。
二次治癒はピアスホールみたいな傷に皮膚が張ること。
損傷が大きかったり、邪魔なものがあり傷をふさぐことができないから仕方なく皮膚モドキを作ってバリアを張るわけです。なので、ピアスは基本、ぜんぶ「二次治癒」になりますよね。
ちなみに三次治癒は、ピアスにあてはめにくいのですが、途中まで作ったピアスホールを外科的に閉じる時に近いです。
紛らわしいので当サイトでは「安定」「完成」の言葉で伝えています。
では、耳のピアスホールで何が起こっているのか、細胞目線で見ていきましょう。
ピアッシングから完成まで
ピアス穴あけ直後
とにかく血を止める期間
ピアッシングにより組織から出血が起こります。
出血自体は悪いものではないので、正しい対策を。
血を止める成分(血小板)などが大慌てで止血作業!
刺激でサイトカインさん=☺が発生します。
サイトカインさんは「傷を治す指令を出す成分」で、これがないと治癒がはじまりません。
実はこのサイトカインさん、消毒で死んでしまうんです
~数日間
不要なものを掃除する時期
ピアスホールにはピアッシングで死んでしまった細胞やバイキンなどの死骸が「老廃物」として残っています。
これでは、傷が治るのに邪魔になるので、サイトカインさんが「老廃物を食べてくれる細胞(白血球さん)」を呼び出します。
白血球さんが出入りできるように血管が広がり、一緒に「浸出液」と呼ばれる体液が細胞の間に溢(あふ)れて出てきます。
この白血球さんも、消毒で動きが鈍くなるんです
耳たぶ程度だと目立ちませんが、血管が太くなるので皮膚が赤く見え、体液でふくらんで腫れて見えます
また、痛みや痒みを感じる物質も出てしまいます。軟骨だと腫れだす時期ですね。
通常、数日あれば落ち着くはずです。
この時期は、まだピアスホールの中は「剥き出しのお肉」状態。
ピアスを触って刺激を与えたり、感染を起こしたり、冷やしすぎて血管が広がらない・・・などの原因で期間が長くなることがあるので、とにかく安静と清潔をキープしましょう。
数日~1か月頃
安定までもう一歩!
普通のケガなどでは、お肉がくっつきあって傷を閉じるのですが、今回はピアスに邪魔をされて閉じることができません。
仕方なく、サイトカインさんが「肉芽組織の壁」(赤い細胞)を作ってピアスという異物を囲いだす作戦の指令を出します。
血管が豊富できれいなピンクや赤色です。
「えっ!肉芽!?」とピアス好きの方は思うかもしれませんが、本来の肉芽は良い奴なんです・・・。
いい肉芽は摩擦と圧迫にも弱いので、回すとか、ピアスを替えるとか、絶対NGです。
壁はあるけどしっかりしてないので、まだ安定にはもう一歩という時期。
大切に扱ってください。
過度な刺激は「邪魔な肉芽」が発達してしまう原因になります(´・ω・`)
数週間~数ヶ月
「安定」と呼ばれる時期
その名の通り「肉の芽」の肉芽さん。
コラーゲンなど色々な組織へ置き換わって、皮膚の基礎の役割をします。
また、肉芽の壁を伝って、外からも皮膚がどんどん伸びていきます。
だんだんと新陳代謝を起こして垢が出てくるので、そっとピアスを動かして洗ってあげることも大切になってきます(*^-^*)
ただし、肉芽は刺激に弱いので優しく!
皮膚がしっかりしてきたら、いよいよセカンドピアスに交換することができます☆
参考 セカンドピアスの選び方
数ヶ月~1年
完成!と言える時期
表皮が伸びてきたものと、皮膚に置き換わりつつある肉芽は、まだまだ弱い赤ちゃんの皮膚のようなもの。(もっと弱いかも)
新陳代謝を繰り返して強くなっていきます。
肉芽の部分は創収縮と言って、表面の皮膚が収縮していき、周囲の皮膚をひっぱります。
これにより穴は窪んだように見えてくるのです。
ピアス安定の目安「穴が窪んでいる」の理由ですね。
ホールが大きいほどわかりやすいかも。
また、皮膚の足場にされた肉芽は「瘢痕組織」という硬い組織に変わります。
これを「変なしこり」と勘違いする人が多いですが、自然な反応なので、受け入れてあげてください(^^;
瘢痕組織は、ある程度は元に戻りますが、完全には復旧しません。
この瘢痕ができるときに、むりな力をかけると肥厚していき、肉芽となる可能性が高くなります。
さいごに
いかがでしたか??
傷の治りを知ることで、今のピアスホールの状態を把握して、適切なケアをしてあげてください(´▽`)
人によって期間に差はありますが、突然皮膚が出来る人はいません。
ファーストピアスが大切な理由、セカンドピアスも大切な理由。分かって頂けたら嬉しいです
次のページではちょっと専門的にマニアックなまとめを、自分用として書き留めています。
専門的な理由をチラッと見たい人以外は他のページへお進みください(^^;