このページでは「デキモノ」の原因・特徴・見分け方と、いちばん注意してほしいケロイドとの違いを簡単にお伝えします(*^-^*)
ピアスホールにできる「肉芽」は
- 異物性肉芽腫
- 血管拡張性肉芽腫
があります。
厳密には肉芽ではないけれど一般的に「ピアス肉芽」と言われるものとして
- ケロイド
- 肥厚性瘢痕
- 成熟瘢痕
というのもあり、それぞれ原因や対策は別です!!
自宅でできる治し方について、詳しくは👇をご覧ください。
もちろん、自分での判断ができない場合、治らない場合はお医者さんへ。
※イメージ画像に関しては、典型的な例を元にイラストにしています。実際の症例とは異なる場合があることをご了承下さい。ピアス肉芽は、医学的な肉芽腫より少し広い意味で使われていますが、基本的な対策としては同じでいいのでサイトでは「ピアス肉芽」として解説しています。
肉芽(にくげ・にくが)
肉芽の特徴
- ポコっとしたデキモノができる
- 痛みの有無は人それぞれ
- 色は赤~肌色、黒などいろいろ
- 一緒に腫れを生じることもある
痛みはほとんどない
通常肉芽は痛みは無いですが、傷や炎症があるときに、その痛みを感じることがあります。
大きくなっていくものは「痛くないから大丈夫」と放置しないように注意しましょう。
なぜ軟骨ピアスで出来やすいの?
耳たぶは皮膚の下に皮下組織しか存在せず、柔らかくて血流が豊富で治療も早いです。
しかし、軟骨では、「やわらかい骨」と言えども柔軟性が少なく、血流がなく、治療に時間がかかる部分を通過してピアッシングを行います。
負担がかかりやすく、治癒にも時間がかかる・・・つまり炎症や異物反応が長く続くため、肉芽やトラブルが発生しやすいコンディションなのです((+_+))
肉芽をほっとくとどうなるのか?
癌を誘発する可能性もゼロじゃないという記述*2もあります。できるだけ早くに解消したいですよね。
肉芽に限らず、ピアスのトラブルが続いたり悪化していく場合には、きちんと専門医の判断を仰いでくださいね(>_<)
異物肉芽腫
ピアスでよくある肉芽がコレ!
簡単に言えば体が異物(ピアス)に反応しすぎて、自分の細胞を壁にして防御しようという反応*1のことです。
一般的に、炎症が強く起きている時は赤く痒みや痛みがあり、それ以外のときも腫れぼったくデキモノができたようになります。
ピアスで考えられる原因
- ピアスホールでの感染が長引いている
- 刺激が続いている
特徴
- 腫れを伴う
- 赤っぽくやわらかい
- ジュクジュクした汁があるかも
治療
- ピアスを抜いてしまうか負担を軽くする(詳しくはコチラ)
- 外科的に切除する
- 炎症を抑えるお薬を使う
血管拡張性肉芽腫
傷やバイキンなどのきっかけで血管が異常に増えた塊となってしまうもの*3です。
一見血豆のような感じですが、血が溜まった袋とは違って中は毛細血管の塊のようなものなので、潰しても小さくなるだけで、潰しきれない、また膨らんでくることが多い特徴があります。
ピアスで考えられる原因
- ピアスをあけただけで出来てしまうことがある
- 細菌感染
特徴
- 真っ赤な血豆のような見た目
- 立体的な球になっていることも
治療
病院での治療が基本*4になります。
- 外科的に切除する
- 液体窒素などで焼く
「液体窒素で焼いてカサブタにしてしまう」という点、クエン酸療法に似ていますよね。
実際、ネットのブログなどでクエン酸療法の写真を見ると、きっとこのタイプの肉芽だろうなぁと思えるものが多々あります。
しかし、別のタイプの肉芽やケロイドなどだった場合は悪化していく原因になり、血管性肉芽腫の場合もきちんと最後まで処置ができなければ再発・悪化の原因になります。
悪化を防ぐために、クエン酸療法などの侵襲的(傷を負わせるような)治療は、必ず専門医と一緒に行ってくださいね。
瘢痕(はんこん)
瘢痕って何?という事ですが、簡単に言えば「傷跡」のこと*5です。
はじめは肉芽と勘違いしやすいですが、徐々に治っていく*6のが特徴。
肉芽・ケロイドとの違い
どれもデキモノができるのですが、ザックリ言えば肉芽は「異物に対抗したデキモノ」で、瘢痕・ケロイドは「傷跡」。
さらに、瘢痕とケロイドの違い*7は、
- 一時的な傷跡で、1~2ヶ月で症状が良くなるもの
→成熟瘢痕(放置してイイ肉芽) - 傷跡が盛り上がってきて治りにくいもの
→肥厚性瘢痕(要注意の肉芽) - 傷跡が盛り上がり、周囲にも広がり非常に治りにくいもの
→ケロイド(絶対アカンやつ)
とザックリ区別することができます。
あとで1つずつ説明はしますが、肥厚性瘢痕とケロイドの見極めは医師でも間違えたり意見が分かれたりするところでとても難しい・・・・ということを念頭に置いてください。
ピアスの負担を軽くして清潔を保っても症状が悪化していく場合には、皮膚科や形成外科などの専門医を受診してくださいね。
成熟瘢痕(ただの傷あと)
ピアスで考えられる原因
- ただの傷跡なので、ピアスをあけるだけで出来ます
- 目立つかどうか、が体質によって色々です
特徴
- 穴の周りを囲うようなミミズ腫れができたように見えます
- 赤色~褐色・肌色など様々な色をします
唯一、ほっといてOKなピアス肉芽
- 時間をかけた自然治癒が基本
- 自然にできるものなので大きくならなければ問題ない
肥厚性瘢痕
肥厚性瘢痕とは、何かの原因によって治癒に時間がかかってしまった場合などに、先程の「問題ない瘢痕」と同じような組織が異常に増殖してしまう状態*8です。
ピアスで考えられる原因
- ナナメに刺さってるピアス
- 重たいピアス
- 曲がったピアス
- 片方だけに力がかかることが多い場所(寝相なども)
特徴
- 引っ張られる方向に盛り上がることが多い
- 炎症が起きているときは赤みがかり、だんだん肌の色に近くなる
- 傷の大きさを超えて健康な皮膚へ広がっていかない
治療
- ピアスの負担を軽減させる・ピアスを除去する(詳しくはコチラ)
- お薬の使用や外科的な処置
体質もありますが、引っ張る力をかけない(=重いピアスやCBRなどは使わない)こと、着脱の刺激を最小限にすることが予防の1つにはなると考えられています。
ケロイド
傷などをきっかけに、組織が健康な皮膚にまで侵食して異常増殖する、肥厚性瘢痕が更にやっかいになったような存在です。しこりとは比べ物になりません。
モリモリと大きくなる赤っぽい組織で、かゆみや痛みがある、いびつな形のものが多い*9です。
体質が大きく関連していると考えられ、普段から傷が膨らんでくる人は要注意です。
特徴
- モリモリと大きくなる赤っぽい組織
- いびつな形のものが多い
- 痒みや痛みがあることが多い
- 傷の大きさをはるかに超えて大きく広がる
治療
自然治癒は困難。
とにかく病院へ行ってください・・・
- 薬物療法
- 外科的な治療
- 圧迫療法やテーピング
などが使用されます。
その他の「しこり」
皮膚をしこりと勘違い
ピアスホールは、何もなかった柔らかな「お肉」の中に硬い「皮膚」ができるので、その皮膚は少なくとも「しこり」と感じます。
よく「しこり」で相談される内容のホトンドがコレ。
症状は特になく、ほっといてOK
肉芽や他のデキモノとの違いは、他のトラブルがなく、どんどん大きくなっていかないというところです。
なので特に対策しなくていいんですね(^^;
問題は、ピアスホールを閉じる時
ピアスをあけてすぐ閉じた場合や、皮膚が出来てからでも体が皮膚を分解できた場合は消えることがあるけれど、消えない場合も多いです。
除去したいときは、皮膚科や形成外科に相談をします。
腫れ・潰瘍(かいよう)
耳の中で腫れや内出血を起こしていて、しこりと感じることがあります。
表面にあれば赤く腫れぼったいので見て分かりますが、ピアスホールの中で起きていると触ってはじめて分かることも。
対策
- 刺激を与えてできたシコリに関しては、少し様子見。ホットソークもOK。
- 金属アレルギーの場合はホットソークで悪化しますので、できるだけ早くピアスの除去か交換。
- 消毒や石鹸かぶれの場合は使用を中止する。
潰瘍とは
皮膚の下まで見えてしまうような酷い「ただれ」の状態です。
対策
- 基本的には安静と清潔(流水洗浄)
- ピアスの選び方が間違っている場合は↓を参考に、適切なピアスを選ぶ
症状が酷い場合は軟膏を使うことも考えられますので、皮膚科でぜひ相談してくださいね。
膿瘍(のうよう)
膿のかたまりが、ピアスホール内や脇道に潜んでいる状態です。
表面に膿の袋が見えることもありますが、中にあるとしこりと感じます。
ニュルニュルと膿が出てきている場合が多いです。
対策
脇道を作ってしまった場合は洗浄をきっちりできない、塗り薬では効果が届かないので、自分の免疫に頼るのみ。
自宅での対応は難しいです。
皮膚科などで飲み薬などのお薬を貰ったり、酷い場合膿の袋の中を直接洗浄(細い注射針などで刺すことも)するなどして対応されるのがほとんどとなります。
ついついやっちゃうんですが、膿は押し出そうとしないでくださいね(^^;
悪化の原因となります。
粉瘤 (ふんりゅう) (表皮嚢腫)
ピアストラブルで良く聞く言葉ですが、膿瘍とどう違うの?と思いますよね。
膿や古い皮膚のかたまりという意味では膿瘍と同じなのですが、やっかいなパワーアップ版。
皮膚で袋のようなものを作ってしまっているので膿を出しても解決できない*10んです。
膿を出すとしこりが小さくなり、解決したかのように勘違いしますが、実は全体をくり抜かないと何度でも再発してしまいます。
対策
- 皮膚科・形成外科に相談
- 応急処置は膿瘍と同じ
※黒っぽい肉芽
炎症が続くと、皮膚は色素沈着で汚い黒っぽいものになります。
長期間かきむしりすぎてしまった傷が黒くなるのと同じです。
色素沈着は治るのに時間がかかりますが、じっと腰を据えて待ちましょう。
ピアスのキャッチをきつく締めていたり、金属アレルギーが酷くなったり、間違った民間療法(オキシドールやアルコールの消毒、クエン酸療法など)で刺激を与えてしまったケースがかなり多いです。
とにかく、炎症を起こさず安静をキープできることが大切です。
クエン酸療法で黒くなるのは壊死組織や痂疲(かひ:カサブタ)です。
カサブタの黒さは剥がれたら解決するはずです(^^)/
しこりの上からピアスはあけられる?
基本的にNG。
しこりの存在によって穴が曲がってしまったり、貫通しなかったりする原因になります。
しこりの種類によっては、感染(バイキンで膿んでしまう)を起こす原因になってしまいます。
クエン酸療法の危険性
先程お伝えしたように、血管拡張性肉芽腫の場合はクエン酸療法で治癒が見込める「可能性も」あります。
逆に、ケロイドや肥厚性瘢痕の場合、刺激を与えることで再発をするどころか、症状がどんどん酷くなることが考えられます*11。
実際に症状が酷くなったり、潰瘍など余計な症状が発生してしまった人はたくさんいるので、自己判断でのクエン酸療法がいかに危険かを知ってください(>_<)
肉芽についての見分け方の内容は以上になります💡
自宅でできる治し方について、詳しくは👇をご覧ください。
もちろん、自分での判断ができない場合、治らない場合はお医者さんへ。
次のページは参考文献・引用文献の一覧になりますので、興味のある人だけお進みください(^^)/